私は20年間、ファッションラグジュアリーブランドで働いていました。
仕事が好きでした。
調和しているショップの空間が好きでした。
整った空気感が気持ちいい。
図書館の静かな空間が好き、映画館の独特な香りがする空間が好き、という人と同じ感覚です。
最新のディスプレイ方法で並べられている商品。重厚感があるインテリアと什器。完璧なライティング。センスの良いお花やシャンパン。スタッフのグルーミング。
2020年のステイホームがきっかけで、自由な時間が欲しくなりました。自宅で、好きなことを好きな時間で働くことに興味を持ち始めました。
退職すると決めたとき、後ろ髪を引かれました。この空間にいることができなくなることも、その中のひとつでした。
あるとき、ふと気がつきました。
私が、顧客になって、その空間にお買い物に行けばいいってことに気がついたのです。
仲良しのスタッフの顧客になって、ソファでゆっくりシャンパンを飲みながら。
会社を辞めることを考えたことがなかったときは、思いつかなかったことです。自分が迎えられる側になって、好きな空間にいるということが。
視点が変わっただけで、引っかかっていたことをあっさりと手放すことができました。
何でも同じかもしれません。
表と裏、陰と陽、プラスとマイナスなど。
固定概念があると逆転の発想って意外と気がつかないものです。
視点を変えてみましょう。
まったく違う世界が視えてきます。
Lots of Love,
Lily